「分かる」と「できる」は違う。
「分かる」は、頭のこと。
伝えたいことを整理したり、図解や写真、教材を工夫することで
分かりやすくしていくことができます。
「できる」は、体のこと。
体を使って動くことや、選択して行動できること。
また、「できる!」という体感そのものだったりします。
講座を作っていく中で、講座生が「できる」ようになるには、
分かりやすさだけ追及しても足りません。
学びって「学びを使う」ことが出来てこその習得だと思います。
だから私は、この「できる」の仕掛けにこだわります。
今日は私が考える「できる」の仕組み方をご紹介します。
練習する環境を設定する
スキル習得などは、講座の中や課題で練習するシーンや環境(場面設定)を用意します。
例)ミシンで「角」を縫います。
ポイントは角で向きを変えるときに針を刺したままにしておくこと。
角がしっかり直角に仕上がれば合格!
角が丸くなったら、ポイントを見直します。
縫えたらペアと仕上がりをチェックし合います。
スキルは「できた」「できていない」が視覚的に分かりやすいのが特徴です。
完成形の基準を具体的に渡すことがポイントです。この基準が、何を意識して練習すればいいか、取り組むときのコツや視点になります。
- このような角度で出来たら、OKです。
- 10回中8回、出来たら合格です。
- 1㎝間隔で仕上がったら綺麗です。
一つポイントがあるだけで、受講生がやみくもにやらなくてよくなります。
行動はシュミレーションさせる
学んだことを活用するシーンがイメージできると「できる」に繋がりやすいです。そのシーンをリアルにやってみる機会までは設定できないなら、シュミレーションできる課題を取り入れてみます。
例)この単元で学んだように、「エシカルファッション」を謳う商品は
・生産する労働者の賃金・権利・労働環境を守っている
・持続可能な生活を支える
・リサイクル、エネルギーやゴミ問題への取り組みをしている
という姿勢の制作によってつくられています。
物を買うことは、その商品が手に入るだけでなく、その商品にまつわる方針を支援することにもつながるとも考えられますね。
あなたなら次のどの商品を手に取ってみたいですか?その理由は?…
受講生の行動を変えたい、と言う場合は、「できた」「できていない」の度合いが自分で分かりにくいケースもあります。
その場合は、講師からのフィードバックで達成度を知らせるのも一つの方法です。
視覚的に「できた」と分らないものは「できた」という体感が、自分の指標になります。課題を「やりっぱなし」にすると、「できた」と言う体感が曖昧になるので、もったいないです。
「こんな判断をすればいいんだな!」
「この方向でいいんだな」
「これくらいの感覚でいいんだな」
「迷ったらこうしたらいいんだな」
こんな体感がもてると、自分の中の「できる」に導くコンパスが育ちます。
まずは講師のガイドに沿って「できる」。
その次は自分の感覚で改善して伸ばしていけると「習得した」ことに近づきます。
自分の言葉に置き換えてみる
マインドの変化を目標にするときは、言葉の選び方に注目するのがおススメです。
講座の中で定義した共通言語を使う時はよくありますよね。
この場合、自分がその言葉に持つイメージが、講師側が伝えたい意味を見えにくくすることがあります。
本来、言葉を理解することがゴールではなく。
講師側が伝えたいのは、そのキーワードが示す「感覚」です。
だから、感覚がつかめれば、その感覚を示す言葉は多少変わっても大丈夫です。
わたしは、起業当初、起業している先輩からこんなメッセージをもらいました。
自分を「許す」ことが、一歩だよ。と。
でも私は、許すってどういうことか分からなかったし、許そうとすると、とても抵抗感がありました。
でもあるとき、やりたいと自分で「決めていい」と思ったことで前に進めたんです。
わたしにとって「許す」とは、自分で「決めていい」という感覚に似てると気づきました。
自分が受講する場合は、言葉を置き換えることで理解できていくことができます。講師側の場合、受講生がどんなフレーズが受け取りやすいか、工夫してみると伝わり方が変わります。
「できる」を定義する
「できる」ことをゴールにするなら、
まずはどんな状態であったら「できる」と言えるのか、を考えると、どんな支援や仕掛けが必要か見えてきます。
講座では「伝えたいこと」にフォーカスしがちですが、ここは「分かる」のフィールドです。
伝えた先に受講生にどんなふうに取り入れてほしいのか?「できる」の仕掛けもぜひ取り入れてみてください。

